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芸術文化魅力育成プロジェクトとは

 大阪アーツカウンシルからの提言を踏まえ、平成27年度から大阪府と大阪市が共同で、府内文化事業の活性化に向けて実施している事業です。
 今年度は、「Osaka Creative Archipelago(オオサカ・クリエイティブ・アーキペラゴ)-大阪府内に点在する多彩なクリエイティブ拠点をつなぐ試み-」として、平成29年10月から平成30年1月にかけて、大阪府内に点在する若手プロデューサーの活動拠点を中心に、大阪の芸術文化の魅力を発信する鑑賞プログラムと、今後の芸術文化を担う若手プロデューサーの育成やネットワークの構築につながる育成プログラムを実施します。

*Archipelago(アーキペラゴ)…多島海、群島、列島を意味する言葉

アートプロデューサーの役割

総合プロデューサー:加藤種男

 ノーベル賞受賞者が異口同音に警鐘を鳴らしている。基礎研究を重視しないと、やがて日本からノーベル賞級の科学者は出なくなるだろうと。基礎研究はそれ自体で何かの役に立つわけではないので、すぐに実用化の見える応用研究を偏重する。しかし、基礎研究を無視しては応用研究さえもいずれ行き詰まる。

 科学の世界で起きていることが、アートの世界でも起きている。個人の思いに深く沈潜して密やかに静かに表現される実験的なアートに支援の目が向けられることは稀である。 これに対して役立つアートに耳目を集中しようとする動きがある。アートは、観光、まちづくり、福祉、そして産業経済にまでも役立つべきだというのである。これらの応用研究としてのアートは確かに役立つ。しかし、基礎研究のないところには応用研究が開花しない科学の場合と同様に、役立たないアートが盛んにおこなわれないと、役立つアートも生まれない。両者のバランスが重要なのだ。

 科学もアートも仮説と実験が不可欠である。アートは、社会や人生に対する漠然とした不安や違和感を文字通り手探りで具体的に表現しようとしたもので、言わば表現による社会実験である。仮説を立てて社会実験を行うアートは、社会の基礎研究である。科学の実験と同様に理解しにくいのは当然のこと。だから、アートと社会をつなぐ仕事が必要になる。 そこで、アートプロデューサーの登場である。基礎研究としてのアートが行っている社会実験の意味を解きほぐし、社会にとってどういう意味や価値があるのかを明らかにして、応用研究としてのアートのつなげる役割を担うのがアートプロデューサーである。

 近年、市民参加のアート活動やアートプロジェクトが着目され盛んになってきている。それは、こうした活動こそが応用研究としてのアートだからである。市民が幅広く参加できるアートプロジェクトが成立するためには、先駆的で実験的なアートが多数地道に存在していることが不可欠である。こうした基礎研究としてのアートと、市民参加のプロジェクト型アートとの関係を明らかにして、社会とアートの縁結びをするアートプロデューサーの飛躍を目指すのが、本企画の狙いである。

 この企画の究極の目標は、すべての人が創造的になること。だから、創造列島を意味するCreative Archipelagoと名付け、これを大阪からはじめるのである。

かとう たねお|クリエイティブ・ディレクター。アサヒビールで芸術文化振興に携わり、アサヒ・アートフェスティバル(AAF)など多様なプロジェクトを立ち上げ。すべての人が創造的になる社会をめざして『創造列島(Creative Archipelago)』を提唱。横浜市芸術文化振興財団専務理事などを歴任し、文化政策を提言。

 

主催

芸術文化魅力育成プロジェクト実行委員会(構成:大阪府、大阪市)

  

企画・運営/お問い合わせ先

一般財団法人おおさか創造千島財団
Tel. 06-6681-7806(平日9:30-17:30土日祝休) E-mail:



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